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松方コレクション展. [日記]

先週、東京出張の際に国立西洋美術館で開催中の「松方コレクション展」をのぞいてきました。

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ランチ時の空き時間を利用しての観覧だったので駆け足で見て回った感じですが、なかなか面白かったです。


12時少し前だったと思いますが、チケット売り場は比較的空いていました。帰るときには屋根のないところまで行列は伸びていたので、ラッキーだったかもしれません。

この日は曇天でしたがそれでも暑い日でしたから、真夏の猛暑下でここに行列させるのはいかがなものなのでしょうね… スポットクーラーとかテントとかの対策はあっても、抜本的に見直さないといけない時期なのかもしれません。

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それはさておき、あらためて僕が書くまでもありませんが、「松方コレクション」とは、若くして川崎造船所(川崎重工の前身)の社長を務めた松方幸次郎氏が第一次大戦後の10余年で収集した美術コレクション。西洋近代の絵画や彫刻と、日本の浮世絵の買い戻しが主体。

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1万点超のコレクションは日本に送られたものは、世界恐慌の影響で破綻した川崎造船所の担保として売られ散逸、恐慌下で贅沢品の輸入関税が上がったこともあってパリに留まったコレクションはナチスドイツの侵攻に備え避難し無事だったものの、その後敵国財産としてフランス政府に接収されていまいます。ロンドンでは保管倉庫が火災にあい焼失。戦後、フランス政府から返還されますが、ゴッホの「アルルの寝室」(オルセー美術館)など20点はフランス政府が返還を拒否。サンフランシスコ平和条約で「合法的に居住していた個人の財産は所有者に返還」とあるにも関わらずです…。

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『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』ピエール=オーギュスト・ルノワール 1872年

このルノワール初期の代表作は、フランス政府との交渉の末に「返還」された作品。日本において、常設展でこうした絵画が多数見れるのは西洋美術館が唯一と言ってもいいかと思います。

あと今回の目玉ともいえるのが、2016年にルーブル美術館で「発見」された、モネの「睡蓮―柳の反映」(1916年)。松方家へ返還され、西洋美術館に寄贈されたもので、半分以上が失われていたが、このたび残っていた部分の修復が完了したということで初公開されました。

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『睡蓮、柳の反映』(修復後) クロード・モネ 1916年

6月のNHKスペシャルで作品のモノクロネガから、人と「AI」で失われた部分を復元するプロジェクトが紹介されていたのを見ていたのですが、その「復元画」が撮影コーナーで映像で紹介されいました。

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『睡蓮、柳の反映』(復元)

AIに色使いを「推定」されてしまうことを画家はどう思うのでしょうね…。確かにモネの作品だと言われれば、誰もが納得できる仕上がりではありますね…。

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コメント 2

JUNKO

興味深い展覧会ですね。10月まではやっていませんよね。残念。
by JUNKO (2019-08-26 19:52) 

トモミ

これ、行きたいんですけどねぇ、きっと行けないままに終わるのでしょう(涙)…

by トモミ (2019-08-28 13:33) 

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