昨日の土曜日、奈良国立博物館の正倉院展に行ってきました。
伎楽面 酔胡王（ぎがくめん すいこおう）
（正倉院展パンフレットより）
伎楽という仮面劇のお面だそうです。東大寺の法要で上演されたそうで、酒に酔った｢胡｣の王だとか…
材質はクスノキ、裏側の墨書から相模国で作られたということです。酔っ払いという以前にすごい怖い顔です…
- 日記
正倉院展も今年で６３回目。毎年６０前後の宝物が展示されますが、収蔵されいる宝物は９０００点以上といいますから、まだまだ一般公開されていないものがたくさんあるんでしょうね。
この日の時点で残り３日となった今年の正倉院展。１１時頃に着いたのですが、待ち時間は４～５０分というところでした。もっと長い待ち時間を覚悟していたので、まあまあかな…＾＾；
金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうのからたち) は、聖武天皇の遺愛品として知られているそうです。推奨やガラスがはめ込まれた唐草模様の金具、鞘は漆に金粉の絵、グリップ部分はエイの皮だそうです。８世紀の太刀がこうして保存されていることに驚きます。儀式用とはいえ、このデザインは今も輝きを失っていません。中国（唐）製と考えられているようですが、カッコよかったです。
（正倉院展パンフレットより）
黄熟香（おうじゅくこう）は東南アジアが原産の香木だそうで、焚いて香りを楽しんだといわれているそうです。別名を 「蘭奢待（らんじゃたい）」というそうですが、これはそれぞれの漢字に「東」「大」「寺」の3文字を含んだ漢字が当てられたのだとか…。展示されていた黄熟香には３枚の付箋が貼られていましたが、右から足利義政、 織田信長、明治天皇の名が記されていました。この付箋も誰がいつ付けたのかははっきりしないそうですが、これらの方々もきっと黄熟香の香りを楽しまれたのでしょう。会場の外の読売新聞のテントブースで、同じ種類の香木「沈香(じんこう)」の香りを体験することができました。どんな香りかを言葉で伝えるのは難しいのですが、子供の頃によく飲まされた樋屋奇応丸（ひや きおうがん）みたいな感じでした＾＾；。
（正倉院展パンフレットより）
他にも興味深い宝物がたくさんありました。宝庫から収蔵品が出されるときに作られる書類｢出蔵帳｣なんかは、一件ごとにたくさんのサインがあって、厳重に管理されていたことがわかります。古い会社の稟議書みたいですが＾＾；
ゆっくり見て廻ったので遅いめのランチ。近鉄奈良駅界隈まで行こうかと思ったのですが、途中で奈良公園の芝生の中に食べ物のブースが並んでいるのを発見。その中のピザ屋さんで、マルゲリータと生ビールをいただきました。”移動式石釜”？みたいなものと、たくさんの薪がありました。ちゃんと石釜で焼いた本格的なピザで、美味しかったです＾＾。
｢奈良フードフェスティバル｣って書いてあったので、なにかイベント絡みのフードコートなのでしょうね。｢トラットリア・ピアノ｣とお店の名前がありましたが、京都への帰り際、近鉄奈良駅の近くでお店も発見しました。機会があったらお店の方に行ってみたいけど、たぶん無いだろうな…
鹿くんたちも、観光シーズンで人も多く、食料には事欠かないのかな…
ランチの後、興福寺に立ち寄りました。明治の廃仏毀釈の際に塀が取り払われてそのままの興福寺。他のお寺のように、｢ここからお寺の境内！｣というのがわかならないので、気持ちの切り替えができなのでしょうか…僕はなんとなく落ち着きません＾＾；
度重なる兵火や火災に見舞われた興福寺も、現在は中金堂が再建中。南大門も再建計画があるそうです。
この日の目的は北円堂。興福寺に現存している中では最も古く１３世紀初頭の建物とうことです。この前行った法隆寺夢殿と同じしょうに、円堂ですが平面は八角形になっています。
建物の他、弥勒如来、無著・世親両菩薩、四天王像、すべて国宝に指定されているそうです。印象に残ったのは四天王像。首が無くて肥満傾向、表情も”怒りの形相"じゃなくて、目を見開いて、見ようによってはびっくりしたような表情に見えました。
正倉院展が開かれる頃の秋の奈良、久しぶりでしたがとてもいいですね。
来週末は、京都で秋を探そうかな…