先週の土曜日、京都駅の"美術館「えき」ＫＹＯＴＯ" に行ったのですが、なんか外が騒がしいな～と思ったら、恒例の京都駅ビル「大階段駈け上がり大会」が行われていました。
- 日記
この大会も今年で１９回目だとか。高低差30メートル171段の大階段を駈け上がるのですが、早い人は２０秒台で駆け上がります。１０年ほど前までは知り合いが出ることもあったので、応援に行ったりもしてたのですが、最近は存在を忘れてました＾＾：
ご存じの方も多いとは思いますが、簡単にルールを説明すると、
・第1走者は45歳以上、第2走者は女性限定、第3走者と第4走者は18歳以上なら誰でもOK。
・レースは4人ずつ（４チーム）で同時スタート。
・階段は2段飛ばしや3段飛ばしをしても良く、上り方は自由。
・ゴールは体の何処かがラインを越えた時点で認められる (ラインタッチでも可)。
なので、多くの人が倒れ込む。
勝負の付き方は、
・団体の部は4人の合計タイムで決定。同タイムの場合は合計年齢が多い方が優勝。
・個人の部（総合・45歳以上・女性）もタイムで決定。同タイムはこれも年齢が上の人が優勝。
・優勝タイムが同一タイムだった時（複数いた場合）には優勝決定プレーオフを行う。
となっているそうです。
今年はあいにくの雨模様で、走る方々もたいへんそうでしたが、レースは白熱していたようです。
昨年から始まったという鳥人間コンテストばりのパフォーマンス部門が見れたら、面白い写真も撮れたでしょうね。
それにしても、一組走るたびに階段の水を切るコース整備作業がたいへんそうでした。
滑ると危ないですものね…
傘をさしながらの観戦はほどほどにして、目的の美術展へ。
正式なタイトルは「生誕220年 歌川広重の旅 平木コレクション 保永堂版初摺でたどる東海道五十三次」
広重が江戸から京へ、東海道を旅したのは１８３２（天保３）年で、その翌年に版元の保永堂から「東海道五十三次」が刊行され、大ヒットしたそうです。広重は、京都の天皇へ馬を献上する幕府の派遣団の1人だったとか。
東海道五十三次之内 日本橋 朝之景
このシリーズ、一番最初は保永堂と仙鶴堂とを版元とする共同出版だったそうですが、それ以降は保永堂が単独で出版したそうで、今回の展示もすべて保永堂版。当時の値段は、わらじ1足、うどん1杯と同等といいますから、数百円って感覚でしょうか。
東海道五十三次之内 蒲原 夜之雪
当時は江戸から京まで、普通、男性で約11泊、女性で約16泊もかかったとか。歩くのはたいへんだったでしょうが、新幹線で２時間ちょっとのところを、ゆっくり見れるのは贅沢な気もします。こんな版画を見せられたら、わくわくしてしまいそうですものね…
東海道五十三次之内 庄野 白雨
今回の展示は、すべての宿場の初摺、すなわち第一版のものが展示されていて、後摺と並べられて展示されているものは、その違いを示す説明板があって、その違いが分かりやすく解説されていました。
初摺と後摺の違いは、絵の細かいところが変更されていることも多いのですが、それよりも初摺は淡いグラデーションが多様されているのに対して、後摺はそうしたところが省略されていて、作品全体の雰囲気は初摺の方が、より繊細な表現となっているように思いました。
戦後の混乱時に貴重な浮世絵の散逸や海外流出を防いだ平木コレクション。平木浮世絵美術館が閉館になったのは残念でしたが、これからもどんどん巡回展で日本中に浮世絵の素晴らしさを伝えてもらえればと思います。