月の桂 増田德兵衞商店さん [日記]
昨年12月に1675年創業の酒蔵「増田徳兵衛商店」さんで、会長の14代増田德兵衞さんのお話を聞く機会がありました。"月の桂"ブランドのお酒をいろいろ試飲させてもらいましたが、もうむちゃくちゃ勉強になりました。
来年で創業350年になるという増田徳兵衛商店さんは、伏見区の鴨川の近くにあります。元々は「増田徳兵衛」「米屋弥兵衛」の屋号で、米や酒を扱う商店だったそうで、お酒のブランドである「月の桂」の由来は、お公家さんの姉小路有長と言う人が詠んだ歌にちなんでいるとか。
他の伏見の酒蔵と比べると、少し西の方になりますが、元々は今は存在しない羅城門からまっすぐ南に延びた「鳥羽作道」で創業されたそうで、幕末の「鳥羽伏見の戦い」で焼け落ち、この地で再興して150年経ったといいます。
増田会長のお話は、先代の13代目増田徳兵衛氏が製造が禁止されていた「どぶろく」ではなく、国税当局を蔵へ招き、お酒の条件である醪をろ過させていることを確認させて「にごり酒」の分野を確立されたお話しや、発泡性のにごり酒ゆえの「おたくの酒は噴きこぼれ、半分は床が飲んでしまう!」という”噴出”トラブル対応に走り回ったお話しなど、あっという間に3時間ほどの時間がすぎました。
従業員は6名という小さな蔵ですが、大量生産に走らず、酒造りに真摯に取り組まれた結果、ルイ・ヴィトンをはじめ名だたる世界のファッションブランドが、お土産に月の桂の日本酒を使うほど、世界のセレブから愛されるブランドになったとのこと。
ヴィンテージのワインと同じように、熟成日本酒にも取り組まれおり、その保管庫も見せてもらいました。会長のおじいさまが整理された江戸時代の古文書に、日本酒を熟成させるには酒を陶器の瓶に入れ、温度管理のされていない場所で保管し、冬の寒さや夏の暑さのなかで酒が呼吸できるようにすること、と書かれていたのだとか。
もうすぐ、びっくりするような価格の熟成日本酒が世の中に出てくるようです^^。
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