神戸 ターナー展 [美術展]
今日、神戸の生田神社で見た桜。今年も桜の季節がやってきました^^。
天気予報は「春の嵐に注意」って言ってましたが、今日は神戸に行ってきました。ちょうど京都から神戸への電車に乗っている間に、強い雨雲とすれ違ったみたいで、神戸に着いた頃には雨もほぼ収まっていました。
今日の目的はターナー展。昨秋に出張のついでに都立美術館に見に行こうと思ってたけど、結局行けなかった展覧会。
ターナーに対しての興味がそれほど強くなかったことも、見に行かなかった一つの理由でしたが、神戸展も残り1週間。この機会を逃すともう見られないかもしれないと思うと、やっぱり見ておこうと…
理髪師の子として生まれたターナーは幼少の頃から絵の才能を周囲に見せていたようですが、13歳の頃に風景画家トーマス・マートンに弟子入りし絵画の基礎を学んだそうです。風景画家というのは、”名所絵”のような絵を制作することだったとのこと。
月光 ミルバンクより眺めた習作 1797年
今回の出展で、僕の中のターナーのイメージに近かったのはこの絵でしょうか。習作ですが、”光と色彩があふれる幻想的かつ詩情に満ちた晩年の作風”にも通じる一枚だと思いました。
「レグルス」1828年 1837年加筆
カルタゴにとらえられ、地下牢に幽閉されてまぶたを切られたローマの将軍レグルス。地上へと連れ出されたレグルスはそのまばゆい光に焼かれ失明したそうです。そのレグルスが見た光を描いたかのようなこの作品。当初より賛否両論があったようですが、ぼくもレグルスが見たであろう強烈な太陽光を、こうして絵を通じて見るのは少し辛い気がします。絵のタイトルが「レグルス」でなければ、光の表現としてはおもしろいと思うのですが…
ルチェルン湖、ブルンネンよりウーリ湾を望む(とされる) 1841-43年?
トラファルガーの海戦でナポレオンを破り英国の勝利が確実になってきたときに、時のジョージ4世にターナーは海戦の絵の注文を受けます。しかし、彼が描いたのは船から投げ出された人など戦争の悲惨さを訴える絵でした。本展では「トラファルガーの海戦のための第二スケッチ」が展示されていましたが、軍艦の描き方に軍人からのクレームがつくなど、この絵は王室コレクションから除外され、その後王室からはの注文は途絶えたそうです。
黄昏時のブンタ・デラ・ドガーナ(税関舎)とサンタ・マリア・デラ・サルーテ教会をホテル・エウロパより望む 1840年
そんな「反戦」的な絵をターナーが描いていたことは今回初めて知りました。彼が英国に生まれた時代は、、欧州はナポレオン戦争の時代であり、そうした時代背景を知ることが彼の絵をよりよく理解するためには大事なんだと思いました。そして、もっと意外だったことは水彩で描かれた絵が多かったこと。その柔らかなタッチは後世の印象派につらなるスケッチだと思いました。
上昇志向が強くて、王室をはじめとする上流階級に取り入ろうとするロマン主義的な絵の印象が強かったターナーですが、決してそれだけではなく、自分の描きたいもの、自分の感情に素直なもの、そんな絵を描いた一面が見えた気がして、ちょっとターナーの印象が変わってしまいました。
9時半の開場直後に入ったのですが、外にでるとお昼前。お腹が空いたのでランチを取ることに…。
三ノ宮のセンタープラザの地下にある【吉祥吉】さんが待ち時間が無かったのでお店に入りました。
もちろん神戸牛のステーキハウスなので、ランチにもかかわらずステーキをいろいろと進められたのですが、今日は最初からハンバーグを食べることに決めていたので、まよわずにハンバーグ90gを注文。 「ミンチになりきれないお肉感」がよかったです!
食べ終わって外に出たら、行列が…。 今度は夜にステーキを食べに来なくちゃ…
でも、向かいのお店が長田本庄軒。、
「ぼっかけ」とは牛すじとコンニャクを甘辛く煮たものをトッピングすること、だと思います。
オリックスの試合を神戸(ほっともっとフィールド神戸)に見に行く時は、"ぼっかけうどん"をいただいてます^^。すじ肉好きにはたまらないメニューです!
ナンバーグを食べて地上に出ると、朝の荒天がウソのような青空が見えたので、生田神社へ…。
京都の桜はまだまだだと思うのですが、神戸はもう満開に近かったです。
春の光につつまれた桜。やっぱりいいです。
今度の土日は花見に行かなくちゃ…。 どこに行くか、ゆっくり考えます^^
ターナー展の作品を一枚ずつ丁寧な解説は嬉しいですね。
私も見に行きたいと思っていますが、多分無理だと思います。
by たいちさん (2014-03-31 09:55)
神戸にいた頃、生田さんには何度も足を運んだのですが、
なぜか桜の印象が残っていないんです…(謎)。
by Darling (2014-03-31 10:30)
昨日まで静岡市美術館で開催されていた「シャガール展」は、春の嵐で諦めました(T^T)
by 風来鶏 (2014-03-31 16:30)
満開ですね。
by ねじまき鳥 (2014-04-03 00:16)
昨年の暮れに、都美術館のターナー展を見ました。
世俗的な社交性や、思いがけないところに顔を出す反骨精神、
そんなターナーの多様な姿を初めて知り、
ちょっと驚くこともありました。
でも、様々な表現に賭けるエネルギーの強さと、
技法への追求はとても刺激的、そんな印象が残っています。
いずれにしても、今回のような規模の展示は
しばらくは開かれないでしょうから、
貴重な展覧会だったと思います。
by e-g-g (2014-04-12 22:24)